ONLY ONE MOBILE
basic
クローズアップ
CHICAGO & ボブ・フォッシー page5
1  2  3  4  5  6  7
画像(18.3Kb)/
誕生日会で

 このクローズアップページの画像は、オーディションの様子を青山さんが話しているところを撮影したものですが、説明しながらなので、ショットとショットの間は割と時間がたっているんです。でも、どの画像も右腕以外のラインは殆ど角度が変わりません。三脚を使って撮影していたら、右腕以外はピシャッと一致したんじゃないかと思うほどです。
 青山さんが涼しい顔をしているのでつい見過ごしそうになりますが、こんな風に腰を落としたら、普通の人ならすぐに膝や腿が震えてきます。しかも同時に、体の中心線が保たれたまま右腕以外の上体はリラックスしていて、どれだけの筋力とコントロール力があればこんなことができるんでしょうか。何年ファンでいても驚かされることが多いです。
 誕生日会では参加者の方から「今後出演したい作品は?」という質問も出ました。青山さんの答えは「フォッシー」と「レ・ミゼラブル」と「ウエストサイドストーリー」でしたが、この「フォッシー」は前のページで触れたC.ウォーカー氏の案によるものです。数々の名作のハイライトを集めたこのショーを作るにあたってフォッシーの出した条件は、「これまで自分と仕事をした人間は一切関わらせない」というものでした。作品に新しいものを吹き込み、「前はこうした」と誰にも言わせない、その師の意図をくんだウォーカー氏は、単なるダイジェスト版ではないものを創造するため、ダンサーのトレーニングから始めて、なんと三年かけて「フォッシー・カンパニー」を創り上げたそうです。
 『CHICAGO』はもちろん素晴らしい作品ですが、男性舞踊手にとって自己顕示欲を満たすような派手な見せ場が続くわけではなく、客席から見ると、出演者たちは個性を生かしながらも、作品世界の構成要素に徹してストイックに役割を果たしている印象を受けます。
作品に出演することの価値も計り知れないけれど、フォッシーの遺産は、演じられ、魅力ある空間を作り出すだけでなく、ウォーカー氏がそうだったように、アーティストが遺産/ショーの一部となることで、フォッシーの世界を理解し、後に自分のものとして消化して新しい何かを創りだす、という創造の連鎖でもあると思えてきました。実際、現在上演されているのは後継者たちによるリバイバル版で、初演版とは違う点がたくさんあるそうです。
 この『CHICAGO』との出会いが、10年後、20年後の青山さんに何を残すことになるのか、それを目にする日がきっと来るような気がしています。
1  2  3  4  5  6  7